都内私学通学者も学費補助制度の対象とすべきである。

 

 

2014年12月、黒岩知事に対し『県内私学通学者だけでなく、都内私学通学者も学費補助の対象とすべき』との問題意識で一般質問をしました。

その要旨は以下の通りです。

 

(たきた孝徳)

質問の第三は私立高等学校等生徒学費補助についてです。

神奈川県内には81校の私立高校があり、それぞれの学校が独自の建学の精神と教育方針を掲げて特色ある教育を実践し、公立高校とともに、本県の高校教育の重要な一端を担っています。

私立高校を進学先として選択する生徒は、これら特色ある教育内容に着目して、その進路を決定していると思いますが、一方で、依然として厳しい経済情勢の中で、私学に子どもを通わせることは、その保護者にとって、相当の経済的負担になっていることも事実であります。

私学助成には大きく2つ、経常費補助と学費補助があり、いずれも私学振興のために重要な補助制度でありますが、中でも保護者の経済的負担の軽減に寄与する学費補助制度が特に重要であり、制度の充実が望まれるところです。

現状、本県の学費補助制度においては、その受給要件として、生徒・保護者が県内に在住し、かつ県内私学に在学することが必要であると承知しております。

私の地元川崎市においては、川を一本越えれば東京都ということもあり、その地域特性として、通勤、通学を含めた日常の生活スタイルが、都内と一体化している方達が非常に多いという実態があります。

通学という面に着目すると、教育統計として毎年実施される県教育委員会の「公立中学校卒業者の進路状況調査」及び文部科学省の「学校基本調査」によれば、平成25年度の川崎市内の公立中学校卒業者9,663名のうち、進学先を県内の私立高校とした方が925名であるのに対し、県外の私立高校とした方は2倍以上の2,225名という調査結果が出ております。

このため、私のところにも、保護者達から、電車でわずか10分の東京の私学へ通学する場合が対象にならないのは残念である、県外通学者も是非、学費補助制度の対象として欲しい、などの声が寄せられているところです。

仮に、県外通学者を学費補助対象として試算した場合、現行の当初予算額約31億円に対して、7億から10億の新たな財源措置が必要になるとのお話を伺っており、本県の厳しい財政状況を踏まえれば、新たに県外通学者も対象として完全実施することは、財源の面で困難であることは十分に理解するところではありますが、先に申し述べたような実態があることを踏まえると、県外私学の通学者を補助の対象としていくことも、今後、考えていく必要があるのではないか、と考えるところであります。

本県の厳しい財政状況を踏まえたとしても、まずは、県外通学者の補助額を、県内通学者とは別の額からスタートし、その後の影響や効果などを検証しながら、段階的に県内通学者の額に近づけていく、などの工夫もできるのではないかと考えます。

そこで、知事に伺います。

現行の県内私学通学者への学費補助制度の充実はもとより、県外私学に通う子ども達にも支援の対象を広げるべきと考えますが、ご所見を伺います。

 

答弁

(黒岩知事)

私立高等学校等生徒学費補助について、お尋ねがありました。

本県では、私立高校に通う生徒を持つ保護者の経済的負担の軽減を図り、神奈川の子ども達が、神奈川で学べて良かったと思える環境づくりを進め、あわせて、県内私学の振興を図ることを目的として、入学金や授業料への学費補助を行っています。

この学費補助は、県独自の制度として昭和43年に創設し、国の就学支援金制度が導入された平成22年度以降は、国と県の制度を一体的に運用しています。

そして、これまで低所得世帯から段階的に補助制度の充実を図り、高校進学を控えた子ども達の、進路選択の幅を広げることに寄与してきたところです。

しかし、いまだに公立高校と私立高校との間には、保護者の経済的負担に格差が存在しており、引き続き支援の充実が課題であると認識しています。

一方、毎年約7万人の県内公立中学校卒業者の進路を見ますと、約4万3千人が県内の公立高校へ、約1万3千人が県内の私立高校へ進学し、それ以外の約6千人の子ども達が、東京都を中心とした県外の私立高校に進学しています。

現在、県外の私立高校に通う子ども達は、国の就学支援金制度の対象となっていますが、県内私学の振興という観点から、県の学費補助の対象とはしていません。

東京都と隣接する埼玉県や千葉県においても、同様の観点から、県外私学通学者は学費補助の対象とはなっていません。

こうしたことから、まずは、神奈川の子ども達が、神奈川で学べて良かったと思える環境づくりと、県内私学の振興に努めることを基本とし、県外私学通学者に対する支援については、将来の研究課題としたいと考えています。

 

(たきた孝徳)

私立高等学校の学費補助については、非常に様々な財源上の課題があることは承知しているが、特に、私が住む川崎市中原区は、都内の通学者が多いということもあり、やはり県内に住んでいる以上は、制度を使いたいという声が非常に寄せられている。

保護者世帯の教育費の軽減という課題があるので、今ある枠組の中で決めるということよりは、大幅に予算を拡充してでも是非とも取り組んでいただきたいと思っているし、(今回の答弁で)将来の研究課題にしていただいたことで、一歩踏み出したと理解をしている。