下小田中・職業技術校跡地に関する取り組みについて②

平成18年11月29日に行われた副知事と地元関係者(下小田中5丁目町会長・婦人部長 下小田中1~6丁目までの町会長、下小田中高齢者クラブの代表)との面会とそこに至るまでの経過について

 

 ①において、技術校跡地については、最近の問題でなく平成16年9月本会議ですでにとりあげ取り組みをはじめていた事、その時点では跡地の利活用については全くの白紙だったため、持論である保育所整備・待機児童問題解決に向けて取り組むべきとの思いをこめて質問をした事、 知事からは閉校後の同跡地については

 

○第1に、県みずからの利用を目指す。

 

○第2には地元市町村における公共的、公益的な活用を目指す。

 

○第3には、そうした公的な活用が見込まれない場合は民間での活用する との考え方が示された事を記し、限られた時間の中で県は着々と跡地利用について検討が進められるから、早めに地域として(町内会)として跡地に何を望むのかコンセンサスを取って欲しい旨を地元町内会に要請をした事を書いた。

 

 その後しばらくは地域の中での意見調整を見守っていた。 なぜなら、この種の問題は近隣にお住まいの方々が考え、それを踏まえて対応をするのが議員としての取るべき対応と考えたからだ。 地域の皆様の考えを無視して、例えば『保育所』整備を推進する訳にはいかない。

 まずは、地域すなわち町内会の中で意見集約を図り『コンセンサス』を得て要望をまとめて頂き、それを受けて要望実現に向けて取り組む。 これが私のスタンスでした。

 その後、下小田中5丁目の皆様より、下小田中1~6町内会の皆様にも状況を説明して欲しいとの声を受け、5丁目町内会の呼び掛けの下、下小田中1~6丁目の方々に対しての状況説明と意見交換会を開いた。 そして、その際には町内会として意見集約を図りコンセンサスをとった要望をまとめて欲しい旨を要請した。 そして、地元の方々に意見集約をお願いする一方、議員として地域のための跡地利用について模索をした。 例えば、保育所整備の土地として利用できないか?更地にしてグランドとして使えないか?高齢者向けの施設として利用できないか?、近隣の過大規模校の分校としてつかえないか?、病院を誘致できないか?子ども達が遊べる公園と子ども達のための施設の建設できないか?等々、それは多岐にわたった。

 また、県だけでなく市の担当者 (余談だが、地域にある子ども向けの公園整備・グランド整備・保育所整備・高齢者向けの施設等の整備は市の所管事業であり、県の所管事業ではない。まして、川崎は政令指定都市、県と市との役割分担の中で、市を飛び越えてそれら施設を県が整備する事はない。簡単に分けると、住民に身近な行政サービスは市の仕事。それ以外の広域的な業務が県の仕事となる。だから、県に対して、いくら『グランド整備や子ども達が遊ぶための施設建設・高齢者の憩いの施設』等を要望したとしても、県の答えは、『それら事業は政令市である川崎市の所管業務である。』となる。) とも話をし、市側の意向を確認しつつ、『県として単独でできるもの』、『県ではなく市が取り組むべきもの』、『法的規制等で実現不可なもの』を整理した。

 また、当然その間私の所にも、私が模索したのと同様の内容、すなわち、『保育所を整備して欲しい』、『公園にして欲しい』、『グランドとして開放して欲しい』、『高齢者向けのコミュニティーセンターを作って欲しい』、『子どもたちが遊べる施設を作って欲しい』等様々な御意見が寄せられた。 それに対しては、『町内会として要望がまとまれば、その実現に向けて全力で取り組みます。ですから、皆様のご意見をまず町内会で提案し、町内会全体でコンセンサスを取って欲しい。』とお話をさせて頂いた。 しかし、何度も書いている『地域でのコンセンサス』だが、これを町内会でまとめるのは非常に難しい作業のように見えた。

 人それぞれ言う事が違うので当然と言えば当然だろう。 そして、時間が過ぎ去り、重大な転機ともなる決定が県内部でなされた。 平成17年11月県において『県有地・県有施設利用調整会議』が開かれた。 これは毎年定期的に行われている、技術校や県立高校等が廃校になった際に生じる、県の未利用地をどのように活用するかを県内部で検討し利用方法を決定する会議だ。 ここにおいて、『技術校跡地が警察職員宿舎』として利用される事が決定をされた。 これは、非常に大きかった。

 先に述べたように役所の場合は意志決定に時間がかかる、しかし一度決まった決定を引っくり返るのは非常に困難であるという特徴があるからだ。 平成17年年末か平成18年の1月だったと思う。

 下小田中5丁目町内会の関係者に対して、県が警察としての利用を固めた旨を伝え、状況説明といくつかの提案を行いたい旨を申し入れた。 すると、できれば同時に、近隣町内会の代表と高齢者クラブ代表にも併せて状況説明をして欲しいと言われ、時期については、慌しい季節だからしばらく待って欲しいとの事だった。

 しばらく時間が過ぎた平成18年10月だったと記憶している。 下小田中5丁目の呼びかけによって近隣町内会の代表と高齢者クラブ代表皆様が一同に会した場所を設定頂き状況を説明した。 その際に『県内部で、技術校跡地は警察職員宿舎として活用する方針が固まった』と申し上げた。 集まった皆様はがっかりしていたようだった。 県の方針を伝えるだけでは役所の人間でもできる。

 そこで、地元として取れると考えられる選択肢を提示した。 それは、

 

1.『計画を認めない』として徹底的に反対運動をする。

 

2.『計画を認め』詳細が決まっていないので、そこに地元の要望を  取り入れてもらうようにする。

 

の2つである。

 

 そして、1の『計画を認めない』と反対運動をしたとしても、固まった計画は着々と進み引っくり返る事はないだろうとの見通しを伝え、その際には地域の要望が全く反映されないまま、ただ宿舎が立つことになると思われると伝えた。 また、計画が引っくり返る可能性はまずないが、仮に計画が引っくり返ったとしても警察での利用がなければ、県での利用はないと思われるとも伝えた。 そうなると知事答弁にあるように、市で利用を検討してもらう (要は、市で土地を買ってくれって事だ。その段階では市がわざわざ県から土地を買ってまで、そこに何かの施策を展開する可能性は見込めなかった。) 事になるが、それは難しいかもしれないと伝えた。

 そして、市が使わないなら、知事答弁にあるように民間売却される事になる、その際は地域の要望・声は全く反映がされずに民間のビジネスライクな跡地利用がされる可能性が高いのではと懸念を伝えた。 そして、『県方針が固まっている事業』に対して、『引っくり返る可能性が全くない反対運動』に力を入れて、地域の要望がまるで反映されない事態を招くより、警察としての利用を認め、計画に地域要望(計画の詳細は何も決まってないのだから、地域要望を入れる余地はある。) を入れ込む活動をした方が、現実的だし地域全体としては得るものが大きいのではとの意見を伝えた 併せて、警察関係の利用であれば民間活用されるよりよっぽどいい、なぜなら、そのマンパワーを『子ども達の放課後の安全対策』など『地域の安全対策』に取り入れて行く事ができるという大きな利点があるとも伝えた。

 一方でその意見にとらわれず、私の事も気にせず、地域のために何がいいのかを考えて選択して欲しいとも伝えた。 ただし、私自身は『安全・安心の街づくりの観点』から警察としての利用は地域としてプラスになると考えるので、反対運動をするなら組みする事はできないと伝えた。 議論が白熱し県や県警に対する批判もでた。

 しかし、ある方がぽつりと言ったひと言で静まり返った。 『下小田中には集会を開ける施設が全くない。地域として本当に困っている。』 出席者全員うなずいた。 そこでとある方が、 『警察の施設だったら、そこの住民向けに集会場だって作るだろう。だったら、使ってない時にはその集会場を地域に開放してもらえばいい。今回の計画を前提として、最低限の要望として地域に開かれた集会場を要望するのはどうだ?』 出席者の異論はなかった。 そこで、私から提案をした。 『警察としての利活用に反対でないのであれば、今後も是非お手伝いをさせて頂きたい。警察としての利用を前提とした中での要望というのなら、皆様が知事や県警幹部に対して直接要望を伝える機会を作るようにいたします。』 異存なく了承された。

 そして、今後の調整は下小田中5丁目町内会を窓口する事を決め解散をした。 その後知事との面会の機会を得るべく奔走をした。 まずは、5丁目町内会の方に、知事との面会時の出席者について決めて頂いた。 結果として、下小田中5丁目町会長・婦人部長 下小田中1~6丁目までの町会長、下小田中の高齢者クラブの代表が出席をする事になった。

 しかし、知事との日程が取れる日は地域の方々がそろわない等、調整に苦慮をした。 最終的にはどうしても知事と地元関係者の日程があわなかったが、副知事と地元関係者の日程が合う日があり、そこで副知事と面会し要望を伝える事になった。 尚、警察については、その時点技術校の所管が県にあるとの理由で出席はしなかったが、地域からの要望内容については県から県警に伝える事になった。

 そして、平成18年11月29日 下小田中5丁目町会長・婦人部長 下小田中1~6丁目までの町会長、下小田中の高齢者クラブの代表が副知事と面会し要望を伝えた。 当時は技術校の約4000坪の土地のうち、どの程度の規模で警察が利用するかは未定だった。 そのため、出席者から、警察が利用するのは承知だが、敷地半分の2000坪くらいは地域のために使うスペースとし利用すべきとの強い申し入れがあった。

 そして、集会所はもちろん。警察が使わない部分では文化スポーツ施設、公園緑地等の建設要望がされた。 そして、最後に地域選出の議員としてはここで出た声を形に出来るように全力で取り組むつもりだと伝えた。 副知事の反応としては、『警察サイドにもしっかりと伝える』とあり、『市がどう考えるかが見なければならない部分もある』という趣旨の発言があった。

 その他は、優秀な県官僚のトップに立つだけあって発言は慎重で特に確定的な発言はなかった。 しかし、こちらが本会議と言う場でこの問題を取り上げた事の重みは感じているようであったし、実際にその旨の発言もあった。 また、知事答弁もあったせいか『地域の声をできるだけ反映させるように考えていきたいと思っているな』という印象を強く受けた。